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東ちづるさんに学ぶアダルトチルドレン(AC)の特徴 家族と依存

東ちづるさんの「〈私〉はなぜカウンセリングを受けたのか」
(副題 「いい人やめた!」母と娘の挑戦)を読んでみました。

この本が出版されたのは10年以上前ですが、当時テレビで東さんが、
お母さんと一緒にカウンセリングを受けた、
と話していたのを見てとても興味を持ちました。

私も母との問題が解決していなかったですし、
母親とカウンセリングを受けるということなど、
自分にはあり得ないことだったので、
本を読んでみたいと思いつつ、結局読まずじまいになっていました。

今回アダルトチルドレンについて書こうと思ったときに、
ふと思い出し、この本を読んでおきたいと思い立ちました。

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読んでみて思ったことは、これはやっぱり当時読むべきものではなかった、
ということです。

当時の自分が読んでもあまり参考にならなかったというか、
嫉妬とかやっかみみたいな感情が芽生えたのではないかと思います。

心の問題と言っても私とはあまりにも違い過ぎますし、
もしかしたら、これで悩むなんて贅沢だと思ったかもしれません。

周囲の人達も、東さん親子はまともな人達にしか見えなかったので、
カウンセリングを受けるということが不思議だったようです。

 
とにかくかつてお嫁さんにしたい女性ナンバー1とも言われ、
何一つ不自由のないように見えた彼女が、
心の問題を抱えていたというのは驚きでした。

高校時代の記憶が無い

東さんはいつの間にか高校生活の記憶が無くなっていたそうです。
テレビに同級生が出演しても相手が誰だか分からず困惑します。

カウンセラーの長谷川さんは、これを「解離」ではないかとしています。

中学生までは楽しかった東さんですが、高校生になり精神的な辛さから、
解離が起こったようです。

思春期という子供から大人への境目で、
親子関係から来る心のバランスが崩れ始めたのかもしれません。

東さんはグレたり、親に反抗するなど、心の重りを外側に発散することができず、
内側に溜めてしまっていたようです。

アダルトチルドレンとは

この言葉は元々アメリカで生まれたもので、
親がアルコール依存症という機能不全の家庭で育った子供を指す言葉だったそうです。

それがアルコール依存に限らず、
機能不全の家族で育った子供に定義が広げられた言葉です。 mother-and-baby-isolated-87129424856[2]
日本では特に、親の機嫌や顔色ばかり伺って育ち、
母親の人生を生きてしまうような子供に適用されることが多いと思います。

日本人の典型例の特徴は、表面上とても優等生的でいい子だけど、
自主性を持てなかったり、心に不安や自信の無さが常にあるということです。

東さんの場合は父親がアルコール依存症で亡くなっており、
母親との共依存があるという典型的なアダルドチルドレン(以下AC)なのかもしれません。

ACという言葉以外に、~神経症とか、~障害という診断名もつけづらいと思います。

ACの5つのタイプ

この本には登場しませんが、
ACには5つのタイプがあると言われています。

(人によってはもっと沢山分類している場合もありますが、
ここでは5つにしておきます。)

1.マスコット 
表面上はひょうきんに振舞うが、内面には不安があり、自己評価が低い

2.ケア・テイカー
面倒見がよく、優等生、努力家だが自信が無い

3.ヒーロー
自分に厳しく他人に他人に優しい、周囲や家族の期待を背負っている

4.スケープ・ゴート
家族の問題を行動として表す 反抗的な問題児

5.ロスト・チャイルド
存在を殺し目立たない 自分の存在意義を見いだせず孤独やあきらめを抱える

東さんは2や3の側面が強いと思います。

また24人の人格を持つビリー・ミリガンは、この5つすべての人格を持っていました。

スケープ・ゴートを抱えた家族

ACに関する本を最初に読んだ頃
(多分東さんの本が出た頃だと思いますが)、
私の知り合いにもACと思われる女性がいました。

その人(Tさん)は、仕事はとてもできる人でしたが、
職場であまり集団に関わるタイプではありませんでした。

人との関わり方という点で、何となく私は自分と同質の親近感を感じましたが、
ちょっと近寄りがたいオーラを放っていて話しかけづらい人でした。

 
そのうち少しずつ打ち解け話すようになりました。
有名大学を卒業し、弟と妹も大きな会社でバリバリ働いていると、
ちょっと自慢げに話していました。

喫茶店で一人で本を読んでいると、知らない人からよく声をかけられるとのこと。
「昨日も突然手紙を渡されてビックリして逃げた。」
「もうそのお店には行けないから、別のお店を探さなくっちゃ」
などと、困った顔をしながらもどことなく自慢げです。

Tさんはとても美人だったので、それは不思議ではないのですが、
自分の学歴や人からもてることをとても自慢したくて仕方ない感じでした。

 
母親はとても若くして結婚したそうです。
東さんも母親が20歳くらいのときの子供だったので似ています。

お父さんをすでに亡くし、
若いお母さんを助けるように子供の頃から家族の面倒をみていたそうです。

さらにしばらく経ってから、
これは誰にも言っていないことだけど聞いて欲しい、と
私に家庭の事情を話してくれました。

 
実はもう一人弟がいて、その弟にとても困っているとのこと。
軽い障害があるようでしたが、働くことはできました。

しかし何かと問題を起こし、施設に入っていたこともあるそうです。
Tさんは問題を起こした弟を引き取りに警察に迎えに行ったことが度々あり、
家でも癇癪を起こし暴れることがあるそうです。

 
その弟は家族から厄介者扱いされていました。
私はACの本を読んで彼が典型的なスケープゴートであることに気付きました。

優等生の姉、兄の抑圧されたネガティブな問題を一身に引き受け、
家族の無意識を行動化していたのだと思います。

 
しかしそれを彼女に言うことはできませんでした。
言ったら怒って否定されることは明らかでした。

彼女は、弟の存在を恥と考えていました。

弟さえいなければもっと家族は幸せだったと言いたいようでしたし、
弟の世話を一生懸命している自分をとても分かって欲しい感じでした。

 
その後その職場を離れた後も彼女からはよくメールが来ました。
とても承認欲求の強い人で、
色々なことを人から認めて欲しいと内心で強く思っている人でした。

ただそれを外に表現できずフラストレーションを溜めていたようです。
いつも寝るときは睡眠導入剤を服用していると言っていました。

私は最初は彼女が美人だったし仲良くしたいと思っていましたが、
メールの内容は職場の人の悪口や、
いかに自分が仕事ができるかということばかりになり、
私は段々面倒くさくなり、ACの本をそれとなく紹介し、
連絡しないようになりました。

 
その後のことは分かりませんが、
スケープゴートになった弟はとても可哀想だったと思います。

また、私には彼女の心のケアをできるような器の大きさはありませんでした。

心に欠落があると欠落あるもの同士で引きあうことは確かです。

Tさんの場合はよく分かりませんでしたが、
私が仲良くなる女性は大抵父親と関係がうまくいってない人ばかり、
ということもありました。
 
とにかくTさんには東さんのように、
家族のことをカウンセラーに相談できるようになっていればいいな、
と今は思います。

東ちづるさんの場合

東さんの家庭にスケープ・ゴートはいませんが、
強いて言うならお父さんがその役割を担ってしまったのかもしれません。

良い妻と良い娘達という家族の中に、自分の居場所を失ったようにも見えます。

自分の存在価値を示す為に仕事に没頭し、
そのストレスがアルコールに向かわせたのかもしれません。
母娘の共依存に疎外されていると感じていた可能性もあります。

一見幸せそうな家族でしたが、父親はお酒が止められなくなり、
ついに吐血して倒れてしまいます。

酔ったお父さんは、お母さんやちづるさんに暴力を振るうこともありました。

それでもちづるさんには、お母さんから感じていた息苦しさがお父さんには無く、
子供の頃の楽しい思い出もあり、大切な存在でした。broken-glass-1371926876ApG_thumb

お父さんはその後亡くなってしまったので、
なぜそんなにお酒を飲むようになったのか、
何が苦しかったのかという真意は分かりません。

しかし母娘が本当に分かり合う為にも、
とても重要な存在でした。

 
父のアルコール依存で家庭が目茶苦茶になるというのが、
典型的なACが生まれる機能不全の家庭ですが、
東さんの家族の場合はそれとはちょっと違うようです。

共依存とは

共依存とは読んで字の如く、共に依存しあう関係です。
人間関係そのものに過剰に依存していることを指します。

自己評価が低いことにより、必要とされることに喜びを感じ、
相手に尽くすことに依存します。

アルコール依存の夫とそれを支える妻の共依存関係は、
お酒を止めさせようと頑張ったり、
病院に連れていくなど献身的に世話をすることにより、
妻は無意識に自分が必要とされていることに存在価値を感じます。

母娘の共依存

東ちづるさんのお母さんは、
ちづるさんが小さい頃からしっかりした子供だったので、
本来子供に言わないようなことまで子供に相談し、
ちづるさんは子供の頃からお母さんを助けようと共依存になっていました。

傍から見るととても仲の良い親子で、
なにが問題なのかと分からないのですが、
大学受験に失敗したちづるさんは、
「18年間の期待を裏切った」
という母親の言葉に激しいショックを受けます。

ACの一番大きな特徴にこの問題があると思います。
親の期待に一生懸命応えようと頑張る子供です。

条件付きの愛

褒めてくれることにより、自分の存在価値を見出していますが、
褒められないことをしてしまったときに、
親からの愛が得られないことにより激しく傷つきます。

親が本来子供に与えるべき愛情は、
存在そのものを肯定することです。

しかしACの子供は条件付きの愛情しかもらっていません。

頑張ったときや、良い結果を出した自分は愛されるが、
そうでない自分は認められない、という想いがあります。

頑張れているうちはいいですが、
あるとき疲れてしまい、心が苦しくなります。

東さんが自分がACではないかと気付いたのは37歳のときでした。

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次の記事⇒臨床心理士 長谷川博一さんによる東ちづるさんへのカウンセリング


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