恐怖体験!母親が炎に包まれ燃えていくのを見た少女のとった行動!

燃え盛る炎 性格・心理

子供が強烈な恐怖を感じたときにどうなってしまうのか考えさせられる話を前回同様「記憶を消す子供たち」から紹介します。

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28歳の女性が突然思い出した子供の頃に見た父親の殺人場面。 なぜ今になって思い出したのか、その謎を追いかけます。

この話はアメリカ・カリフォルニアのハイウェイの路肩でハザードもつけずに停車していた車を注意する為、警察官がドライバーの女性に尋問するところから始まります。

30歳前後に見えるその女性は警官の問いかけを無視し、返事もしなければ動こうともしませんでした。

仕方なくドアを開けて免許証の提示を求めましたが、女性の態度は変わりません。

置いてあったハンドバッグから免許証を取り出した警官は女性の名前がバートレットということを確認します。

警官は女性に車から降りるよう指示しますが、女性はいきなりドアに手を伸ばし閉めようとしました。

慌ててドアを押さえた警官は、女性が完全に酔っ払っていると思いました。

酒気帯び運転の容疑で逮捕するつもりで手錠をかけようとしたところ、女性が突然車から飛び出し、殴りかかってきました。

警官達が止めるのも聞かず暴れたため、顎にパンチを食らわされた女性は意識を失い拘置所へと連れて行かれました。

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記憶喪失?

この女性の名前はパトリシア・バートレット、朝になり拘置所で目覚めたパトリシアは顎に痛みを感じますが、なぜ自分がこんな所にいるのか分かりません。

それだけではなく、何もかも覚えていないのです。

血液検査の為の注射に応じますが、自分はお酒など飲んでいないと主張します。

そして、頭の中が真っ白だったパトリシアは、警官に「ミス・バートレット」と呼ばれたことから、自分が結婚していないことを知ります。

しかし、この時点では、警察官達は彼女が酔っ払い運転を隠すために「記憶が無い」と嘘をついているんだろうと思っていました。

記憶が無くなったパトリシアが嘘をついているのではなく、心因性の健忘であることを証明するために、ジェーン・サッチャーという女性弁護士は精神科医である著者(レノア・テア)に助けを求めます。

記憶を辿る

パトリシアは叔母に保釈金を払ってもらい拘置所を出ることができました。

そして、自分が誰であるかという記憶の大部分は思い出していました。

しかし、事件のときの記憶や、自分がなぜあんな風に記憶を失ったのかということは分かりません。

著者はパトリシアと面会し、彼女の記憶を探ります。

逮捕された日に何をしていたか聞いてみると、プールで日光浴をしていたことは覚えていました。

そして凄く動揺していたということを覚えていましたが、そこからの記憶が無くなっていました。

著者は彼女の記憶を引き出すために、そのとき、立っていたか座っていた場所を尋ねます。これは連合記憶を呼び覚ますための質問でした。

突然「カメロン!」と同居していた彼氏の名を叫んだパトリシアは、その日、カメロンの浮気現場と遭遇してしまっていたことを思い出します。

その後、カメロンに自分と浮気相手のどちらを選ぶのか問い詰めると、何とカメロンは浮気相手を選んで出て行ってしまったのでした。

しかし、そこから先の記憶はまたも真っ白で出てきません。

解離性健忘から記憶が戻る

パトリシアは苦痛を感じると解離(かいり)を起こす、ということが分かりました。

「解離」とは心を守るための脳の防衛機能であり一種の現実逃避です。

詳しくはこちらを参照してください。↓

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彼氏に捨てられるという苦痛から逃れるために、解離を起こしたパトリシアは記憶を失いました。

そして、解離した状態でパトリシアが取った行動は、そこから逃げ出すということでした。

断片的な記憶を繋ぎ合わせていくと、助けを求めて友達のサラの家に行こうとしたところ道が分からなくなり、車を停めていたところに警官が現れます。

しかし、激しく解離していたパトリシアには警官が強盗か痴漢のような悪者に見えた為、あのような行動を取ってしまったようです。

子供時代の記憶

裁判でパトリシアの無実を証明するためには、彼女が子供時代から解離を起こす傾向があったことを知っておく必要があります。

著者はそれを探るために、後日、パトリシアの子供の頃の記憶を探ることにしました。

彼女は家族にいつもしっくりしないものを感じていたといいます。

父親は理由も言わずに家出しており、母親はパトリシアが9歳のときに火事で亡くなっていました。

両親のことはあまり覚えておらず、母親に関してはお酒をよく飲んでいたけど、いい人だったということを覚えています。

母親はアルコール中毒でした。

母親について話していたはずですが、パトリシアはいつの間にか育ててくれた叔母は最善を尽くしてくれたと言いだしました。

著者は、母親の死という辛い記憶から彼女が叔母のことに話題をそらしたと考え、もう一度子供時代の話をするように促します。

パトリシアはなぜか水が怖く、お風呂に入ることができませんでした。
宿泊先のホテルでは必ずシャワーがあることを確認すると言います。

混乱する記憶

著者が、母親が火事で亡くなったことを確認すると、そのときパトリシアはお風呂に入っていて、消防士に発見されたと言います。

母は台所で死んでいたとのことです。

そのときのことを詳しく聞くと、覚えていないと言いますが、肉を焼く時の匂いをかぐとぞっとするというのです。

そこで、火事のときもお母さんは料理をしていたのか聞いてみると、自分は座ってそれを見ていたと言います。

著者が、お母さんが台所で料理をしていて台所の火事で亡くなったのに、なぜあなたはそんなに早くお風呂に入ったのか?と尋ねると、パトリシアは、辻褄の合わないおかしな話をし始めました。

一旦話題を変え、他に怖かった記憶はあるか聞いてみると、18歳のときに乗った飛行機が激しく揺れ稲光が見えた時、火事になるのではないかと恐怖を感じたことを話しました。

母親が燃えるのを見ていた!

「他にもありましたか?」と著者がパトリシアに尋ねると、彼女はのどに手を当ててあえぎ始めました。

「どうしました?何か思い出しましたか?」

その問いかけに「母です」とささやくように答えるパトリシア。

「いまお話しした飛行機のときと同じようなことが、母が死んだときにもあったと思うんです。何か感じるんです。ああ!ひどかったわ。火事です。わたし、見たんだと思います。母が燃えるのを。そうです。燃えていました。そうなんです。わたしはいたのです。台所に」

台所で料理をしている母のガウンの袖に突然火がつき、母は炎に包まれました。

パトリシアは恐怖で動けなくなり、母が焼死するのを見ていたのです。

それからふらふらとバスルームに入り、お湯を入れ、服を脱ぎ、お風呂に入って別世界へ解離したのでした。

それがどの位の長さだったかは思い出せません。煙の匂いに気付いたアパートの住人が通報し、消防士がドアを破って入ってきました。

パトリシアは飛行機で味わった「恐怖体験」を思い出すことで、その連想により母の死の場面を思い出したのでした。

最後の入浴

9歳のときに最愛の人が目の前で焼死するという、この世で最も恐ろしい光景を見た少女は、そこから解離するために入ったお風呂が最後の入浴となりました。

パトリシアはそれ以来20年以上、お風呂に入ったことがありません。

裁判の結果

弁護士のジェーンはこの事実によりパトリシアが嘘をついていたのではなく、心因性の健忘により記憶を失っていたと主張し、パトリシアを無実に導くことができました。

自由を得たパトリシアでしたが、この先自分自身の人格から逃亡することが無くなるのかは分かりません。

辛いことがあったときは解離するという彼女の心の癖が治ったわけではないからです。