ダリとフロイトとユング 無意識・夢の映像化 潜在意識と時間について

潜在意識・無意識

サルバドール・ダリはフロイトに大きな影響を受けている画家です。
シュルレアリスムと呼ばれるジャンルで、最近では簡略化した「シュール」という言葉がよく使われています。

ダリは学生時代にフロイトの書籍を読み感銘を受け、その理論を自分の作品に取り入れました。

フロイトには直接会いに行ったりもしたそうです。

枕もとにはスケッチブックを置き、夢を見て目覚めると、そのイメージをすぐにスケッチしていたとのことです。

ダリの自伝を大分前に読みましたが、非常にエキセントリックな人という感じで、ナルシスト、誇大妄想を持つ人という印象もあります。

私は自伝の中から彼の、何か神経症的な傾向を探ろうとしていたと思います。

しかし変わってはいますが、ネガティブな側面は薄く、やっぱり芸術家らしい芸術家で、凡人には理解し難いという感じでした。

私もフロイトやユングの本を読んでから、目覚めて夢を覚えていたら、何を象徴した夢だったか考えてみるようにしています。

自分の無意識・潜在意識に何があるのかを教えてくれる、重要な手掛かりとなることがあります。

無意識・潜在意識の世界には時間の概念が無いそうです。

起きてから、夢の細部を改めて考えてみると、話の展開がどこでどう変わったのか、よく分からないことが沢山あります。

夢は映画のように時系列でストーリーが流れるのではなく、潜在意識のイメージを一度に浴びている、という感じなのかもしれません。

ダリの絵の中にはドロドロとした血をイメージしたようなものもありますが、私はその系統は苦手です。

またエロティックなものも多いですが、これはフロイトの影響を受けていれば当然という気もします。

フロイトの抑圧の考えは、性的なものがタブーとされていた時代背景があり、フロイトの夢判断の象徴は性的なものが置きかえられている、と解釈されたものがとても多いです。

ユングはそれに関して、抑圧は性的なものばかりではない、と否定的でした。

ダリのショートムービー「アンダルシアの犬」は、おぞましいシーンがつなぎ合わせられており、見ていてちょっと怖いです。

フロイトの抑圧理論を映像化しようとすると、こうなるのかもしれないと思わせる映像です。

もしもユングに影響を受けていたら、こういう映像表現にはならなかったのではないかと思います。

ユングの本「人間と象徴」に使われている無意識を象徴する絵には、レンブラントの「哲学者の瞑想」が使われています。

レンブラントの「哲学者の瞑想」ユングも人間は無意識を探求しなくてはならない、としていますが、持っているイメージはフロイトとかなり違います。

私もダリ同様、人一倍無意識への関心が強いので、無意識や潜在意識を描く作品にはとても興味をそそられます。