場面緘黙児への接し方 「場面緘黙Q&A」を読んで思うこと

勉強する外国人の少女 場面緘黙症

「場面緘黙Q&A―幼稚園や学校でおしゃべりできない子どもたち」という書籍を読んでみました。

場面緘黙(かんもく)症(選択性緘黙症)の子供を持つ親御さんや、生徒に緘黙症の子がいる学校の先生には、場面緘黙症というものを理解する為にとても良い本だと思います。

まず場面緘黙と一括り(ひとくくり)にできないところが難しいと思いました。
場面緘黙から全緘黙に症状が変わってしまう子供がいたり、緘動といわれる、体を動かせない症状を伴う子もいます。

症状だけを見て、考えたことを言語化するのに時間がかかる、発達障害やアスペルガー障害など、先天的な障害を持つ子供と場面緘黙症を一緒に考えてしまうと、対応が難しくなるという困難もあります。

話さない、という発話の問題だけに焦点を当ててしまいがちですが、当人は対人恐怖症状を感じていることに対する理解も必要です。

とても共感したのは、小学3年生の女の子、海ちゃんが新しいクラスメイトの子に、「どうしてしゃべれないの?はやくよくなってね」という内容の手紙をもらい、

「なにをするのかわかりません。海は、しゃべるのがはずかしいの」

と返信した手紙は、健気であり、気持ちは痛いほどよく分かります。

海ちゃんは、早く治してと言われても、どうすればいいか分からないし、ただただ恥ずかしいのです。

様々な緘黙児のパターンが紹介されていますが、私の場合は、Q40の項目がぴったり当てはまります。

「家に帰るとそのストレスを吐き出すように、多弁になり、自分を主張し、かんしゃくを起こし、親にぐずぐず言う子どもがいます。」

まさに私のことだと思いました。

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場面緘黙症の生徒に対して思うこと

緘黙していた私の経験でも、緘黙中に喋れるチャンスが訪れる時があります。

先生が生徒に理解があり、クラスの雰囲気が喋れる空気を作ったとき、自然に喋ってしまう時があるものです。

しかし話し出すと、周りの生徒は「○○君が話した!」と驚き、それを聞いた私は我に返り、恥ずかしさがこみ上げてくるのです。
そしてまた喋れなくなってしまいます。

小学生にそんなことまで理解させ、気を遣わせるのは、ほとんど無理だと思います。 
一般の生徒と一緒に行動する中で、緘黙症を治療するのは大変困難なことだと思いました。

できれば自意識が弱い小学生くらいのうちに対処して治すのが理想です。
中学生、高校生で緘黙してしまうと、後でコミュニュケーション力をつけるのに、苦労が大きくなってしまいます。

可能かどうかは別として、治療するには、少人数クラスで、先生は場面緘黙症に精通した人が理想です。

緘黙児やコミュ障と言われる子供だけのクラスで、2人ずつのグループに分かれてすべての組み合わせで、会話の練習をし、徐々に3人4人と人数を増やしたり、緘黙児に対応できるような気遣いができる生徒をゲストに招いて、会話の輪に加わってもらうとか、専用のメニューで治療できれば、かなり改善できると思います。

コミュニケーション力に差がついたら、クラスを入れ替えるなどの配慮も必要になるかもしれません。

今、どの程度場面緘黙児に対する取り組みが進んでいるのか、私は全く知りませんが、お金の問題など、すべての生徒にこのような環境を提供するのは無理でしょう。

やはり、沢山の人にこの症状を知ってもらい、先生にはこの本を読んでもらうなど、理解を広げることが重要なのでしょう。
かんもくネット
かんもくの会
場面緘黙症 Journal