子供のトラウマが性格に与える影響 犬として育てられた少年の感想

犬と少年 各種恐怖症・神経症

犬として育てられた少年

本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」は、6つ目のエピソードとして紹介されています。

ジャスティンは母親が15歳で出産した男の子です。
母親は彼を出産後わずか2ヶ月でこの世を去ってしまいました。

その後、愛情豊かな祖母に引き取られますが、この祖母も1年足らずで亡くなってしまいます。

祖母の恋人だったアーサーと2人きりになってしまいますが、2人は元々何の繋がりもない間柄なので、アーサーは子供を施設に預けることを考えます。

ところが、引き取り先を探すまで待ってくれと言われ、その後数年間、ジャスティンを面倒みる破目になってしまいます。

アーサーは知的障害があったらしく、子供を育てたこともありませんでした。

犬のブリーダーをやっていた為、悪気は無かったのですが、ジャスティンを檻に入れ、犬と同じ様に育ててしまいます。

結果的にネグレクト(育児放棄)された子供と同様、脳の発達が遅れることになってしまいました。
ペリー博士がジャスティンに会った時、彼はすでに6歳になっていました。

集中治療室に入れられていましたが、唸り声を上げ、自分の排泄物を投げるなど、手に負えない子供として、博士が呼ばれたわけです。

博士が彼の為に環境を整え、秩序ある治療を施すと、最初は犬のような行動を見せていたジャスティンは、みるみるうちに回復し、里親も見つかり、8歳になる頃には幼稚園に通えるまでになりました。

ここまで早く回復した理由は、最初の1年間とはいえ、祖母から愛情を受けたというベースがあったことが大きな理由でした。

一緒に暮らしていた犬が社会秩序のある動物で、その影響を受けたことも一因としてあるようです。

別の章では育児放棄された形の子供が、その後、凶悪事件を起こし刑務所に入ってしまいます。

ちょっとした運命のイタズラで、こんなにも人生が違ってしまうのかと、考えさせられてしまう話です。

リストカット、自傷行為を行う心理と原因

「犬として育てられた少年」に納められた8つ目のエピソード、「カラス」には7歳の時から数年に渡って母親の恋人に、性的虐待を受けた少女アンバーが登場します。

彼女がペリー博士と出会ったのは17歳のときでした。高校のトイレで意識を失い病院に運ばれますが、医師達はなぜそうなったのか原因が分かりません。

そこに偶然居合わせた博士が、彼女の母親を落ち着かせる為に呼ばれます。

アンバーの腕には短く浅い傷が沢山並んでいました。
それを見た博士は、すぐに彼女のトラウマを疑い、解離症状から意識を失ったことを突き止めます。

その後、彼女は博士のカウンセリングを受けるようになります。
彼女のトラウマは性的虐待でした。

行為の最中に解離することにより、精神的な崩壊からずっと身を守っていました。
この本ではリストカットする心理・原因についてこう書かれています。

アンバーは学校で、自分の腕をつねったり深く引っかいたりすると不安が和らぐことに気付いた。
その後、一人でいるときに、肌を切ると解離状態が起き、耐えがたいほどたまったストレスから逃げ出せることを発見した。

これが自傷行為に至る心理です。
別に死のうとしているわけではなく、リストカットすることが、ストレスから開放される手段になっていたわけです。

カウンセリングを続けるうちに、徐々に自分を理解し、リストカットの衝動を抑えられるようになります。

その代わりに、腕に自分の象徴である、カラスのタトゥー(入れ墨・刺青)を入れるようになりました。

タトゥーやピアスも自傷行為!?

タトゥーは自傷行為ではありませんが、人によっては無意識の自傷行為として、行われることがあります。

ピアスも同様です。
耳に一つ二つ程度なら問題はありませんが、私から見ても、片耳に3つ以上ピアスがある女性の場合、何かしらの心理的なトラウマを抱えていることが多いように感じます。(3つという数字に根拠はありません)

自分を傷つけることにより、無意識に自分を産んだ親を傷つけようとしている人もいます。

アンバーのタトゥーは黒いカラスから青いカラスに変化し、カラフルな花束も加わるようになりました。

色の変化は彼女の回復のバロメーターになっていたようです。

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