【記憶が飛ぶ】父親が友達を殺す所を見てしまった少女の記憶とは!?

手で顔を覆い頭を抱えられる女性 潜在意識・無意識

「記憶」は性格や人間の行動を考える上でとても重要な概念です。

恐ろしい記憶は心の防衛機能により忘れてしまうことがありますが、今回は、「記憶を消す子供たち」(レノア・テア著)という本に載っていた20年前の記憶が突然蘇ったというエピーソードを紹介したいと思います。

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突然蘇った恐ろしい過去

28歳のアイリーン・フランクリン・リプスカーには二人の子供がいます。
夫婦仲は良いとは言えませんでしたが、子供達とは幸せな日々を過ごしていました。

そんなある日、一緒に部屋にいた5歳の娘ジェシカがふと振り返った顔を見た瞬間、20年前に友達だった8歳のスーザン・ネイソンと重なり、ある記憶が蘇ってきました。

スーザンは怯え、恐怖に震えています。

アイリーンの父親ジョージ・フランクリンが両手を頭上にかかげ、石を持ち上げています。
何とスーザンを狙っていたのです!

右手を上げて防ごうとするスーザン。

「やめて!」という悲鳴がアイリーンの喉にこみ上げますが、声は出ません。

バットで卵をつぶすような、ぐしゃっという音、そして静寂。
スーザンの頭と手は血にまみれ、手はつぶれていました。

その後、数ヶ月間、アイリーンはこの記憶について誰にも話すことができませんでした。

なぜスーザンは殺されたのか?

しかし、その間、一つの記憶を思い出したことが引き金となり、彼女は色々なことを思い出していきます。

アイリーンとスーザンは同じ学校に通う友達同士で、赤毛にソバカスと二人の外見はよく似ていました。

ある日、父ジョージの古い車(ヒッピー・バン)でドライブに行くことになりました。

車の後部にはマットレスが敷かれ、カーテンを引くことができました。

途中で友達のスーザンを見つけたアイリーンは、彼女も一緒に連れて行ってくれるよう父に頼みます。

湖に着くと父親は外に出てタバコを吸い、ビールを飲みました。

2人は車の後ろに積んであったマットレスをトランポリン代わりにして遊んでいました。

戻ってきた父はアイリーンに前の席に移るように言い、渋々従ったアイリーンでしたが、次の瞬間、後ろから悲鳴が聞こえてきました。

ヒッピーバン

アイリーンはレイプだと思いました。
なぜ8歳の少女が「レイプ」を知っていたのか、28歳になったアイリーンには分かりませんでした、このときは…。

その後父はスーザンをバンの外に連れ出します。
8歳のアイリーンはそれを小高い所から見ています。

スーザンはアイリーンを見上げます。
その目は「助けて」と訴えていました。

父はスーザンの口を封じるために殺したのです。

ぐったりした友達の潰れた頭と手を見たアイリーンは悲鳴をあげてバンに走りましたが、父に押さえつけられてしまいます。

「もう終わったんだ」と父は言い、「みんな忘れてしまえ」と命じた。「誰もおまえの言うことなんか信じないぞ」しゃべったら、「つかまる」のはおまえだ。ヴァンにスーザンを誘ったのはおまえだからな。泣きやまない彼女に父が、「黙らないと、おまえも殺すぞ」と言ったことも思い出した。

失われた記憶

大人になったアイリーンは自分がどのようにこの恐ろしい事件の記憶を失っていったのか覚えていません。

しかし、教室で教師が友達の行方不明を告げたときには、もうアイリーンは事件のことを覚えていませんでした。

彼女は友達がいなくなってしまったことを悲しみました。

この本では、アイリーンに起こった現象を「記憶の抑圧」と定義しています。

アイリーンのトラウマ

アイリーンのトラウマはこれだけではありませんでした。

消防士だった父親は酒乱で、暴力的でした。

アイリーンは5人兄弟の真ん中でしたが、父親は母親や子供に頻繁に暴力を振るっていました。

妻であるフランクリン夫人は2度も精神病院に入るほどひどい状況だったのです。

アイリーンは数々の恐ろしい体験をしたにも関わらず、自分は父親を愛していると思っていました。

自分のことを最初に美しいと言ってくれたのは父親でした。

このことも彼女が記憶を抑圧した大きな要因だったと考えられます。

次々と蘇る記憶

しかし、さらに幼い頃、3~5歳くらいにお風呂で父親から性的虐待を受けていた記憶も蘇ってきました。

8歳の少女がなぜ「レイプ」を知っていたかということも、これで判明したわけです。

単に自分の欲望を子供にぶつけただけでなく、父親は「プレゼント」として、娘を知り合いにレイプさせたこともありました。

アイリーンを守った心の防衛機能

子供時代のアイリーンはこのような辛い記憶を次々と消去して自分を守っていたと思われます。

自分の親が自分を虐待したり、友達を殺したと自覚することは幼い子供には耐えられないことです。人格崩壊の危機です。

人によっては解離が人格を分裂させ、多重人格(解離性同一障害)となる場合もあります。

アイリーンの場合は、とにかく忘れることで自分を守ってきました。

しかし、記憶は完全に消去されたわけではありません。

アイリーンはこのストレスで、血が出るまで、自分の髪の毛を引き抜く癖があったそうです。

その後、麻薬に手を出し高校を中退、売春を行い逮捕されたこともあります。

なぜ突然記憶が蘇ったのか

28歳になったアイリーンは人生で初めて安定した時を過ごしていました。

裕福な夫のおかげで家や車、子供にも恵まれました。

アイリーンの潜在意識は、今なら過去の記憶を処理することができると判断したのだと思います。

そのきっかけが、自分やスーザンにそっくりだった自分の娘ジェシカの顔でした。

こうして一つの記憶から次々と抑圧から解放された記憶が潜在意識から顕在意識へと上がってきたのだと考えられます。

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記憶が正確だとは限らない

スーザン失踪事件はずっと解決されないまま、20年以上が経過していました。

スーザンは夫に相談し、警察に連絡します。

しかしこの話が本当であるかどうかの証拠がありません。

もしかしたらスーザンは父への復讐のために嘘をついているのかもしれませんし、有名になってお金を得ようと企んでいる可能性もあります。

そこで20年前の記憶が突然蘇る事があるのかを裁判で証明するため、精神科医である著者が呼ばれることになりました。

こうして結果的に父ジョージが逮捕されるに至ります。

小児性愛者だったジョージ・フランクリンは児童ポルノや近親姦に関する本に囲まれて暮らしていたといいます。

ただ証言者の記憶が必ずしも正しいとは限らない例として、アイリーンが「プレゼント」として父の知り合いにレイプされたときの記憶があります。

アイリーンは、髪がアフロで毛先が緑色の黒人にレイプされたと思っていましたが、実際の相手は白人男性でした。

なぜそんな間違いがあったかというと、行為の最中アイリーンは壁に貼ってあったロックスター(ジミ・ヘンドリックス)のポスターをずっと見ていたために相手を間違って記憶していたのでした。

こういうこともあるので、すべての記憶が正しいとは限らないのです。

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